読書のススメと久々に読んだ「アンの娘リラ」感想その他。
読書は良い。
子供のころはありとあらゆる書物を読み漁っていた私ですが、物を書いたり読んだりする仕事についたのもあり、社会人になってからは全く本を読まなくなっていた。
仕事で疲れ果て、仕事以外では脳みそを一切使いたくないと思い10年がたった。
同様に映画も見なくなったし絵画などの芸術作品にも触れることはなくなった。
最近気づいたのは、私が全く面白くない人間になりはて、子供のころには少しはあった、創造力のかけらもなくなってしまったことでした。
そして、それが自分の世界を狭め、人生を楽しくなくさせているということだった。
本は良いです。現実では周りに話が合う人がいなくても、本を開けば昔の偉人の知的な考えや詩人の描く景色で満たされますし、登場人物に感情移入して現実で味わえない感情に満たされ脳が活性化します。
色んな本を少しずつ読んでいるのですが、どうも飽きっぽくなっていて少しずつしか読めないときもある。
そんな中ふと思い立って、休日に「アンの娘リラ」を図書館で借りてきて読みました。
「虹の谷のアン」も借りたのだがどちらも面白すぎて一日で一気に読んでしまいました。
特にリラが良い。読み終わるころには涙をふいたティッシュが山になっていました。
なんて面白い小説なのだろう?
完璧な作品かもしれない。
子供のころ読んだ時は少し暗い話に感じたが、今読むとリラの純粋さやけなげさもあり、とても深いなと思います。
モンゴメリの話は完璧に面白いと私は思うけれど、本当にこの人の話は理想的というか、現実にはないくらい、ちょっとうまくいきすぎという感じがある。
アンの娘リラは、アンシリーズの中ではまだ比較的現実的なほうだとは思います。
今「赤毛のアン」を読むと、アンってどう見ても発達障害だし統合失語症一歩手前かなという気がする。子供のときはなんとも思わなかったのだが。
小説とは言え、アンに出てくる人物のキャラクターが少し気になってきたので独断と偏見で以下、分析してみた。
主人公 アン・ブライス
やせっぽちでみすぼらしい、不恰好なみなし子。
自分の赤毛が大嫌い。
かんしゃくもち(衝動的に怒ると何するかわからない。暴力もふるう)、口が悪く嫌いな人への罵詈雑言がすごい、そそっかしくドジばかり。
妄想癖が激しく独り言が多い。頭はよい。
なぜか、イケメンでエリートのギルバートに熱烈に愛される。
大人になると見ようによっては美人という域まで綺麗になる。(なぜ??)
最終的には専業主婦になり自分を愛する夫と子供達に囲まれ、家事育児は有能なスーザンにすべてしてもらい、村のゴシップに胸ときめかせるおばさんになるが、仕事もせず自分の理解者だけに囲まれた居心地のよい家にこもっていられるという、引きこもりにとっては最高の箱庭を手に入れるので発達障害も何も関係なくなる。
悪い人ではない。子供はみんな母親が大好きで一人もグレない。
普通はこうはうまくいかない。
アンの理解者 マシュー
バリバリの統合失調症児だったアンのすべてを愛し、受け入れた。アンが何をやってもアンの味方をした。非常に心が傷つけられて育ったであろうアンを癒した最初で最高の爺さんだった。
育ての親 マリラ
マシューの妹。マシューとアンを引き取った。
アンのまわりには、なぜかアンが悪いときであってもアンの味方をする取り巻きが多いのだが、その中で育ての母親であるこの人が、夢に逃げようとするアンに現実というものを叩きつけ、アンの目を覚まさせた功績がでかいと思われる。
しかし最終的にはかなりアンに対して甘甘になっていった感はある。
ギルバート・ブライス
アンの夫。子供のとき、怒り狂ったアンがギルバートの頭に石版をたたきつけて割った時から、アンを愛している、このシリーズ内の中で最も理解不能な男。
かなりもてるイケメンでのちに医者になるエリート。アンにはずっとふられ続けていたのにずっとあきらめず最終的には結婚した。
アンの何がいいのか?????
これだけで一大研究ができそうである。
誰からも好青年と思われるような、いわゆる普通の男でアンを好きになったこと以外には、全く語るべき特徴がない。
現実にはこんな男いないと思う。だいぶ作者モンゴメリの妄想や理想が入っているかと。
ダイアナ
子供時代のアンの親友。アンがなにをしてもアンのことを大好きだったというありえないくらいいい子。アンを否定することが一切ない。アンのいいなりとも言える。大人になってから、アンに結構悪気なくひどいことを言われているが気にしていないでかい器の持ち主。美人。
ジェム・ブライス
アンの長男。大人になり、戦争から帰ってきたときはまだ若いのに白髪が増え、足を引きずっていたようだが、他の青年にない威厳があって何か他の人とは違っていたとのこと。幼馴染の美人のフェイスと婚約する。
子供のころから母親に花束をつんできていた。のちに医者になり父のあとも継ぐ。
非常に息子としても青年としてもイケメンにかかれています。
ウォルター・ブライス
次男。中二病みたいなイケメン。(顔は親にも親戚にも誰にも似ていなかったらしい)戦死してしまう。感受性が強く詩の才能があった。
ナン・ブライス
双子の姉妹の姉。美人。
結構かわいいところがあったような気がするがエピソードを忘れてしまった。
イングルサイドのアンに書いてあるはずなので再読したい。
ダイ・ブライス
双子の姉妹の妹。おとなしく優しい。性格が良く人に優しい。母親にの赤毛がコンプレックス。双子のナンがいつも美人と言われ、母親には「ピンクを着せられる娘(ナン)がいてうれしいの」などと結構ひどいことを言われているのだが、グレもしないし、かんしゃくもおこさない。お父さんは昔のお母さんに似ているダイが一番のお気に入りなのだからそれですべてが帳消しなのか?
シャーリー・ブライス
三男。家政婦スーザンの一番のお気に入り。スーザンは子供達をよそに預けないといけないとき、シャーリーだけ自分のとこで預かったりする。他の子はばらばら。えこひいきがすごい。
シャーリーについてのエピソードはほとんどないのでどういう子か不明。
ギルバートは彼を見ると「自分の父親を思い出す」そうだ。大人しく無口らしい。隠れたユーモアを持っている。多分スーザンがしゃべりまくって育てたので無口になってしまったのだろう。出征のときスーザンにスーザン母さんと言った。泣ける。
リラ・ブライス
末っ子。兄弟の中で一番の美人らしい。というか村の中でも一番レベルの美人のようだ。
なんでこの遺伝子でそんな美人が生まれるのか????
ギルバートは多少イケメンとはいえ、リラは父親とは外見のタイプが違うし・・
「アンの娘リラ」では、勉学にも興味なく、子供も家事も嫌いで遊ぶことしか考えてなかった美人なだけの甘やかされた末っ子だったリラが、兄や好きな人が戦争に行ったことをきっかけに、やりたくない家事、育児、人間関係や社会活動に毎日真剣に立ち向かい大人になっていく。本当はとても優しく辛抱強い精神的に大人な女の子なんだということがわかる。そして若干ツンデレでかわいい。
嫌でやりたくないこと、何もかも逃げ出したいときも、戦争にいった兄、世界で困っている人たちのことを思いすべてをこなし、誰にも怒りをぶちまけることもなく、悲しいときも腹のたったときも一人で消化した。
気に入らないことがあると何をしでかすかわからないアンとは全然似ていない!!!!!!!!!!!!!!!!!
自制心と社会性が意外とあるのでアンはどこで働いても3日と続かなさそうだがリラならどこでもやっていけそうである。
とにかく作者が女性なので女性キャラのエピソードが多く男性については適当で、何でギルバートがアンを好きになったのかとかも、理解不能なのですが、そういう現実じみてないところが、いいのですかねぇ。
面白いので皆さんもぜひ読んでみてください。